サンスクリットは、楽しい!
写真は、先日の授業で、5つのスートラの働きを説明したボード。
生徒と一緒にインタラクティブに授業をしていると、
事前に「こうやって教えよう」 と計画したことよりも、
もっと面白くて分かりやすい説明が、自然と出て来て、
授業の後に、我ながら、いい授業だった!と感じて、ボードの写真を撮ることもあります。
最小の言葉で最大の範囲の説明をする、アルゴリズムを応用した、
現在まで生きている、最古のメタ言語です。
私がSEをしていたのと、アメリカ帰りの医者やエンジニアの生徒が多い
このアシュラムの雰囲気とがあいまって、こういうの教えるの楽しい!
家の横の菩提樹の木陰で、自生してきたお花。 |
やっぱり、元プログラマー・元エンジニアの人は、パーニニを習得しやすいですが、
プログラマーやエンジニアにならなくても、パーニニを勉強すれば、
サンスクリット語も、論理的思考も、両方身につくので、一石二鳥です。
パーニニで、論理的思考を磨く
先日は、長い「イー」で終わる男性名詞を12種類、
パーニニのスートラに沿って分析しながら教えました。
12個ではなく、12種類ですよ。それぞれの種類の下に、いくつも同じような単語があるのです。
「イー」で終わる男性名詞なんて、そうそうお目にかからないじゃん!
それを12個もするなんて、時間の無駄!
と考えるのは、パーニニが何か分かっていない人。
12種類もするのは、そこに論理的思考を育てる要素が含まれているってことです。
その論理的思考能力が、ヴェーダーンタ文献を勉強するのに必要なのです。
(パーニニだけじゃなくても、論理的思考は磨くことは出来ますけどね。)
種類の違いの出るのはなぜか?
違いを出す要因を見極め、その要因のあらゆる組み合わせを考える。
プログラムを書いた後に、テスト・ケースを予想するのと同じプロセスです。
整った秩序が見えてくるので、ほんの2年前までは文字も知らなかった生徒でも、
「イー」で終わる男性名詞を12種類、すんなりと分析し、理解してもらっています。
パーニニの教える論理的秩序の美しさを、日本にも伝えていきたい
パーニニはおろか、サンスクリット語も、日本では、まだまだ「難解」と言われていて、
理路整然とした論理的秩序という側面が紹介されていません。
日本の大学や仏教学で使われているサンスクリット語のテキストをいくつか拝見したことがありますが、
内容は初歩~中級の初歩程度のレベルで、大したことを教えていないのにも関わらず、、
学習者に「難解」と言わせるような説明のしかたなんですね。残念。
だいたい、「難解」 ということ自体が、理路整然と理解できていない、なによりの証拠。
だから、「サンスクリット語は難解です」とかいう先生からは、学習しないほうがいい。
そんな先生から学習しても、「そうですね。難解ですね。」と言わされるはめになるだけです。
私がサンスクリットを教えるときには、
パーニニ・スートラを教える前の、初歩の段階から、
パーニニの論理的秩序をベースにして教えています。
そのほうがシンプルで、理論的ゆえに、すんなり腑に落ちる。
そして、あとあと辻褄が合ってくる。
今はインドで、きちんと教えられる先生の育成に励んでいますが、
日本でも、ヴェーダーンタを学ぶ人々に、サンスクリット学習の楽しさを伝えていきたいです。