先日は、兵庫県にある八鹿という場所で、5日間のヴェーダーンタを勉強するキャンプ(泊まり込みで勉強をするという意味で)を無事終えることができました。
遠くからアンナダーナをしてくださった皆さん、そして参加者を含め直接的・間接的にご協力をいただいた皆さん、そして何より発起・運営をしてくださった方、毎日3食の調理をしてくださった方々、本当にありがとうございました。
バガヴァッド・ギーター第3章と、それに書かれたシャンカラーチャーリヤのバーシヤを全てサンスクリット語の原典から勉強していきました。
毎日4クラス(そのうち1クラスは私の突然の歯痛による診察でお休みになりましたが)、かなりのスピードで勉強しましたが、反省点としては、このボリュームだと、5日間ではきつかったかなと。
今年の12月に予定しているバリの勉強会では、計10日間で第18章をバーシヤと共に勉強する予定ですが、全78シュローカを10日間で終わらせてしまおうとするのは無謀のようなので、出来るところまで、勉強し、後は大体半分くらいになると思いますが、次の機会に持ち越せたらと思います。。
毎朝夕はガネーシャ・プージャーを参加者の方々に執り行ってもらいました。
プージャーをまだしたことのない参加者も、16ステップのプージャーの意味は度々勉強会を開催して説明しているので、皆さん興味津々で、積極的にプージャーにもトライしていただき、とても有意義な時間になったと思います。
今回特に心に残ったのは、会場から近いところにお住まいの方で、お子様が小さいのでキャンプには参加できなかった方が、お子様を連れて会いに来てくださったときのことです。
お子様は8才と3才、上の子はパラマートマーナンダ・スワミジが来日するたびにお会いしていて、今世だけでなく前世から、この文化にサムスカーラを持っているような男の子で、
夕方にお越し頂いたので、プージャーにも参加していただいたのですが、祭壇の近くに座ってずっと集中して事の運びを興味津々に見守っていました。まだ小さいのに、プージャーの間ずっとじっとしていられるなんて、なかなかのことだと思います。
そして、食卓の横にあるホワイトボードに「अन्नदान」をしてくださった皆様のお名前が掲示されているのを見て、「これ、何て書いているの?」とデーヴァナーガリー文字を知りたがったので、「これが a、これが n、そしてこれが na、これが dā って長いので、じゃあ、次の न は何だと思う?」と尋ねると、「na」と即答するではありませんか。
私は、大人も子供も、学習能力には大差ないと信じていますが、大人の場合は、「私、~が苦手なんで~。」「私なんてダメなんですぅ~」「私、幼少の頃、(長い人生の話が続く)」「あれしなきゃ」「これもしなきゃ」「間違っちゃダメだ~!!」と、膨大な無駄な考えが邪魔をして、本来の学習能力がブロックされていると思うんですね。
結局いくつになっても、学習者本人が自分の抱えているブロックをどうにかプロセスしようと努力する必要があり、それが学習内容よりももっと大事な勉強だと思います。
何でも「才能」の一言で片づけようとする人もいますが、それもどうかと思います。
持って生まれた才能も、才能の無さも、それをどうにかしようとするなら、結局どちらにしても、練習の積み重ねあるのみですからね。
でも、吸収の良い子どもに教えるのは、楽しいです。
だいぶ前からサンスクリット語文法のプライヴェートのクラスは時間がもったいないのでお断りしていますが、本人がやる気の子供の為ならプライヴェートのクラスでもしてあげたいですね。どうせ長いこと教えなくても、直ぐに吸収して自分で伸びて行けるだろうし。
キャンプ会場のご来客のお子さんに話を戻すと、訪問後ずっとインドの神様の話をしていたそうで、次の日の朝には、お母様がお料理を作っている横で、神様の絵を描き、そして自分でデーヴァナーガリー文字表を見て、自分の名前や、神様の名前を、自分で考えて組み合わせて書けるようになっていたそうです。それがこの絵と文字。
こちらは後日私にプレゼントしてくださり、宝物がまたひとつ増えてしまいました。
ने は本来は णे なのですが、8歳児が自分で考えて書いたのだから、すごい。
この画風、いいですね。是非着色して、これから書くプージャーの本とかの挿絵に使わせてもらったり、何かしたいと、私の創作意欲も刺激されます。
こちらがシヴァ神。
व [va] と ब [ba] の違いについて、お母様に質問をしていたそうで、
何年勉強していても、その違いが分からない大人が多い中、すごいなぁと思いました。
最後になりましたが、毎朝寒い中、宿泊していたロッジの入り口に、参加者の方々コーラムを描いてくださり、参加者はもちろん、施設の他の訪問者にも素敵な調和の印を見せてくれていました。
今まで数々の勉強会やキャンプで教えてきましたが、バーシヤに専念したキャンプはまだ新しい試みなので、いろいろ反省したり試行錯誤しながら、生きている間にガッツリ勉強を続けていきたいとさらに強く思いました。
より多く人々が、安心して、人生の意味を深く考えたり、
希望する人がめいいっぱい勉強出来る、
平和な文化的環境がこの世界にあり続けますように。
皆さんにご健康とご多幸がありますように。
ダクシナームールティに祈りを捧げながら。。
Medha