今日は尊敬するフランスの先輩スワミジから、
तृप्-धातुのलिट्のII/1の形で、ततर्पिथ, ततर्प्थ, तत्रप्थとみっつあって、なぜ最後の形にइट्が来ないのか?
という質問を受けました。
そもそもなぜत्रप्?
अम्-आगमっぽいと思い、सृजि-दृशोः... (स्रष्टा, द्रष्टुम्とかいう形が出来るスートラ)のあたりを探すと、次のスートラがअनुदात्तस्य च ऋद्-उपधा... ということで、オッケー。
次に、इट्のनियमは7.2.あたりのスートラを見る。
かの有名なややこしい7.2.61, 62, 63のあたりはअजन्तなので関係無いか。
SKのコメンタリーから辿っても、रधादिभ्यश्चでवैकल्पिकでइट्が来るということは分かっても、なぜअनिट्なのか分からない。
ついでにこの件に関してधातुकोशの付録にタイポ発見。直しとく。
答えはこの辺りには無いのかも。これは考え方を変えなくては、と思い、一歩引いて問題の全体を見てみる。
そして閃いたのは、もとのअम्-आगमの条件。前のスートラからझलिがअनुवृत्तिで降りてきているので、इडागमがついていたら、अमागमは来ない。
ここを見逃していたということでした。
解決したし、タイポも発見したし、復習もできて、質問していただいたスワミジのお役にも立てて良かったです。。意外と速く30分そこそこで解決できたのも良かった。
तृ॒पँ प्रीणने 4P पुषादि, रधादि
तृप् + लिट्
तृप् + थल् II/1
त तृप् + थ्
त त् ऋ अम् प् + थ् 6.1.59 अनुदात्तस्य चर्दुपधस्यान्यतरस्याम् | ~ झलि अम् अकिति
There is optional अमागम for अनुदात्त-धातु with ऋ in उपधा (as in तृ॒प्) when झलादि अकित् follows.
त त् र् अ प् + थ 6.1.77
तत्रप्थ
Note that इडागम will not come with अमागम because the निमित्त for the अमागम is झलादि.
अनिट् by 7.2.10 then वैकल्पिक-इडागम by 7.2.45
ततर्पिथ
ततर्प्थ
P.S.
パーニニのサンスクリット語文法って、西洋哲学史には、ソシュールとか構造主義とかチョムスキーとかに関連して紹介されるのですが、そうやって紹介している哲学書を書いている人間の中に、パーニニのサンスクリット語文法を実際に勉強してこの程度の理解をしている人なんて、ほぼゼロに近いと思います。
みんな口ばっかりで、ちゃんと勉強してない。私から言わせると。