表題にあるような質問を受けることが今までに何度かあったので、
今回はそれについて書きますね。
結婚して子供を育てて孫にまで恵まれていても、
起業して会社を経営していたとしても、
よっぽど本人が意識して自分の言動を選択していない限り、
自動的に精神的に成長することは望めません。
たくさんの孫に恵まれ、多くの社員の面倒をみていても、
そうでなくても、どちらにしても、
「俺、俺、俺を見て!スゴイって言って!一番だって言って!!」
といった、五歳児の精神構造を保ったままの大人になる人が大多数なのが現実です。
精神的な成長を遂げるには、
1.人間は精神的に成長する伸びしろを持って生まれた生き物であると知っていて、
2.その為に、何をすればいいのかを知っている
必要があります。ヴェーダは「ダルマ」という名前でそれを教えています。
精神的な成長の鍵は、自由意志を賢く使えるかどうかにあります。
惰性の傾向にブレーキをかけ、与えられた状況の中で適切な言動を選び取るために、
自由意志があります。
バガヴァッド・ギーターでも明確に言われているように、
यज्ञ, दान, तपः は、精神的な成長を促すための行いです。
与えられた状況の中での自分の役割を果たすことも、यज्ञ, दान, तपःの姿勢を持ってすれば、
自分に成長を与えてくれます。
自分が精神的な成長をすることを選べば、
人生のどのステージでも、(アーシュラマ)
どこで生まれ育ち、どのような職種につき、どのような性格の人でも、(ヴァルナ)
結婚していようがいまいが、子供がいようがいまいが、年収がいくらあろうがなかろうが、
どんな人でも、自分の置かれている状況の中で、成長を遂げることができるのです。
それが、ヴェーダの教えているヴァルナ・アーシュラマの本意です。
自分の成長に必要な状況は、運命という形で自分の人生に与えられていますから、
結婚しないと成長できない人は結婚するように、
子供を持たないと成長できない人は子供を持つように、出来ています。
そもそも人間は生理的に結婚して子供を持つように出来ているので、
大多数の場合は、そうして成長できるように出来ているのでしょうから、
結婚も子供も無しで成長しようとすると、かなり本人の毎日の心掛けが必要です。
ちなみにここで結婚というのは、パートナーを持つという意味です。
「結婚に興味が無い」と言いながらパートナーを持って、それなりの義務を果たさないのは、ダルマから逃げて、ちゃっかりカーマとアルタだけは楽しもうという残念なパターンになってしまうので、パートナーを持つ意味をきちんと考え直した方が良いでしょう。