本日めでたく、Enjoyable Sanskrit Grammar Vol. 3のオンライン講義が完了しました。
今日のクラスで指摘していた点をシェアしますね。
サンスクリット語で使役文を作る場合の規則についての類似点です。
使役でない動詞が能動態(~する)の場合、
行動の主体(कर्ता)は第1格(~が、~は)で表されます。
目的語(कर्म)は第2格(~を、~に)で表されます。
例:देवदत्तः ओदनं पचति ।
デーヴァダッタは、ご飯を作ります。
使役動詞が能動態(~させる)である場合、
使役する人・主体(णिकर्ता)は第1格で表され、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)は第3格(~によって)で表されます。
目的語(कर्म)は第2格(~を、~に)で表されます。
例:सोमदत्तः देवदत्तेन ओदनं पाचयति ।
ソーマダッタは、デーヴァダッタによって、ご飯を作らせます。
また、受動態では、目的語が第1格をとります。
例:ओदनः देवदत्तेन सोमदत्तेन पाचयति ।
ソーマダッタによって、ご飯は、デーヴァダッタによって、作られるようにされます。
例外的に、動詞が以下のA~Cのタイプの場合は、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)が目的語(कर्म)として扱われ、
結果的に、能動態では第2格(~を、~に)で表されます。
また受動態では、通常とは違い、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)が第1格で表されます。
(使役でない場合は、実際の目的語が第1格で表される。)
A. 行く・動く(持って来る・運ぶを除く)、知る、食べる(अद्とखाद्を除く)という意味の動詞
B. 言葉を使う意味の動詞
C. 自動詞(目的語を取らない動詞)
パーニニ・スートラ1.4.52 गतिबुद्धिप्रत्यवसानार्थशब्दकर्माकर्मकाणामणि कर्ता स णौ ।
वार्त्तिकम् - गत्यर्थेषु नीवह्योः प्रतिषेधो वक्तव्यः ।
वार्तिकम् - आदिखाद्योः प्रतिषेधो वक्तव्यः ।
に基づく。
*日本語でも、受動態でダルマは第1格では言えません。
A. 食べる
おまけ:
デーヴァダッタは、村へ、ソーマダッタによって、ヴィシュヌミットラによって行かされます。
以下は拙著(英文)から、説明文と例文の引用です。
今日のクラスで指摘していた点をシェアしますね。
サンスクリット語で使役文を作る場合の規則についての類似点です。
要点は、使役文の中での、अणिकर्ताの格変化の規則と例外的規則が、
日本語と似ている、という点です。
言語に関わらず、意味的にそういうものかな?と考えてみましたが、
英語ではその規則的類似性は発見できなかったので、
どういうことだろう?と、あまり深く考える時間もないので、
誰か興味のある人にお任せします。。。
変な日本語を書いているかもしれないので、
(自分では、前世紀以来あまり日本に住んでなかった割には、
日本語はうまいほうだと思っていますが。)
先に、バックグラウンドを少し説明しますね。。
私の場合、サンスクリット語は、いちからずっとインドで、
インド人のサードゥ達からサンスクリット語の教科書を使って学びました。
口頭での共通言語は英語ですが、英訳本のお世話には殆どならずに、
サンスクリット語でサンスクリット語を学び、
英語でサンスクリット語を教え、英語でサンスクリット語の文法書を書いています。
そのせいか、日本語とサンスクリット語を比較する興味があまりなくやって来たので、
些細な点かも知れませんが、こういうことは日本の人達はディスカスしているのかな~?
と思ってシェアしています。。。
正直、日本でこの程度の(ヴェーダーンタの先生の話を聞き取るのに最低限必要なレベルのサンスクリット語を、ヴェーダーンタの勉強の傍ら勉強している程度です。。)サンスクリット語を扱っている大学なりお寺なりがあるのか、それすらもよく知らないですが、サンスクリット語でなくても、言語学や意味論などの視点からも、面白いトピックだと思います。。
(自分では、前世紀以来あまり日本に住んでなかった割には、
日本語はうまいほうだと思っていますが。)
先に、バックグラウンドを少し説明しますね。。
私の場合、サンスクリット語は、いちからずっとインドで、
インド人のサードゥ達からサンスクリット語の教科書を使って学びました。
口頭での共通言語は英語ですが、英訳本のお世話には殆どならずに、
サンスクリット語でサンスクリット語を学び、
英語でサンスクリット語を教え、英語でサンスクリット語の文法書を書いています。
そのせいか、日本語とサンスクリット語を比較する興味があまりなくやって来たので、
些細な点かも知れませんが、こういうことは日本の人達はディスカスしているのかな~?
と思ってシェアしています。。。
正直、日本でこの程度の(ヴェーダーンタの先生の話を聞き取るのに最低限必要なレベルのサンスクリット語を、ヴェーダーンタの勉強の傍ら勉強している程度です。。)サンスクリット語を扱っている大学なりお寺なりがあるのか、それすらもよく知らないですが、サンスクリット語でなくても、言語学や意味論などの視点からも、面白いトピックだと思います。。
使役でない動詞が能動態(~する)の場合、
行動の主体(कर्ता)は第1格(~が、~は)で表されます。
目的語(कर्म)は第2格(~を、~に)で表されます。
例:देवदत्तः ओदनं पचति ।
デーヴァダッタは、ご飯を作ります。
使役動詞が能動態(~させる)である場合、
使役する人・主体(णिकर्ता)は第1格で表され、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)は第3格(~によって)で表されます。
目的語(कर्म)は第2格(~を、~に)で表されます。
例:सोमदत्तः देवदत्तेन ओदनं पाचयति ।
ソーマダッタは、デーヴァダッタによって、ご飯を作らせます。
また、受動態では、目的語が第1格をとります。
例:ओदनः देवदत्तेन सोमदत्तेन पाचयति ।
ソーマダッタによって、ご飯は、デーヴァダッタによって、作られるようにされます。
例外的に、動詞が以下のA~Cのタイプの場合は、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)が目的語(कर्म)として扱われ、
結果的に、能動態では第2格(~を、~に)で表されます。
また受動態では、通常とは違い、
使役される人・実際の行動の主体(अणिकर्ता)が第1格で表されます。
(使役でない場合は、実際の目的語が第1格で表される。)
A. 行く・動く(持って来る・運ぶを除く)、知る、食べる(अद्とखाद्を除く)という意味の動詞
B. 言葉を使う意味の動詞
C. 自動詞(目的語を取らない動詞)
パーニニ・スートラ1.4.52 गतिबुद्धिप्रत्यवसानार्थशब्दकर्माकर्मकाणामणि कर्ता स णौ ।
वार्त्तिकम् - गत्यर्थेषु नीवह्योः प्रतिषेधो वक्तव्यः ।
वार्तिकम् - आदिखाद्योः प्रतिषेधो वक्तव्यः ।
に基づく。
A. 行く・動く
(能動態)माता (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ग्रामं
गमयति/यापयति ।
母は、デーヴァダッタを、村に行かせます。
*日本語でも「デーヴァダッタによって」とは言いません。
(受動態)देवदत्तः
ग्रामं मात्रा गम्यते/याप्यते ।
デーヴァダッタは村に母によって行かされます。
*日本語でも村は第1格(~が格)では言いません。
A. 行く・動くの例外
(能動態)माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) भारं नाययति/वाहयति ।
(能動態)माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) भारं नाययति/वाहयति ।
母は、デーヴァダッタによって、荷物を持って来させます/運ばせます。
*日本語では「デーヴァダッタによって」と言ってもおかしくありません。
「デーヴァダッタに」と言うのがより一般的かも知れませんが。
(受動態)भारः देवदत्तेन मात्रा नाय्यते/वाह्यते ।
荷物はデーヴァダッタによって、母によって、持って来られます/運ばれます。
*日本語でも「~が格(第1格)」で言えるのは「荷物」だけです。
A. 知る
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) धर्मं बोधयति/वेदयति ।
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) धर्मं बोधयति/वेदयति ।
先生は、生徒に、ダルマを知らせます(教えます)。
*日本語でも「生徒によって」とは言いません。
माणवकः
धर्मं गुरुणा बोध्यते/वेद्यते ।
生徒は、ダルマを、先生によって、知らされます。*日本語でも、受動態でダルマは第1格では言えません。
A. 食べる
*以下同様ですが、、、
माता (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ओदनं भोजयति/आशयति ।
母は、デーヴァダッタに、ご飯を、食べさせます。
देवदत्तः ओदनं मात्रा भोज्यते/आश्यते ।
デーヴァダッタは、ご飯を、母によって、食べさせられます。
*ここからが気になる。अद्, खाद् が、भुज्, अश् 等とどう違うのか、私には分かりません。
どれも全て「食べる、経験する」といった意味です。
このニュアンスの違いはインド人に訊いてみないと分からない。訊いてみよう。
A. 食べるの例外
माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) ओदनं आदयते/खादयति ।
माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) ओदनं आदयते/खादयति ।
母は、デーヴァダッタによって、 ご飯を食べさせます。
*おかしく感じますよね。अद्, खाद् に相当する日本語を探したい。
*おかしく感じますよね。अद्, खाद् に相当する日本語を探したい。
ओदनः देवदत्तेन मात्रा आद्यते/खाद्यते ।
ご飯は、デーヴァダッタによって、 母によって、食べさせられます。
*受動態も同様。
B: 言葉を使う動詞
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) वेदं पाठयति/अध्यापयति ।
先生は、生徒に、ヴェーダを、読ませます。
माणवकः वेदं गुरुणा पाठ्यते/अध्याप्यते ।
生徒は、ヴェーダを、先生によって、読まされます。
C: 自動詞
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) आसयति/शाययति ।
先生は、生徒を、座らせます/寝かせます。
माणवकः गुरुणा आस्यते/शाय्यते ।
生徒は、先生によって、座らされます/寝かせられます。
विष्णुमित्रः (णिकर्ता) सोमदत्तेन (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ग्रामं
गमयति ।
ヴィシュヌミットラは、ソーマダッタによって、デーヴァダッタを、村に行かせます。
देवदत्तः ग्रामं सोमदत्तेन विष्णुमित्रेण गम्यते ।デーヴァダッタは、村へ、ソーマダッタによって、ヴィシュヌミットラによって行かされます。
以下は拙著(英文)から、説明文と例文の引用です。
As an exception, कर्म
status is given to अणिकर्ता when
the following धातुs take णिच्:
A: गति-अर्थ
(except नी and वह्), बुद्धि-अर्थ, and प्रत्यवसान-अर्थ (except अद् and खाद्)
B: शब्दकर्म (action involving speech, such as teaching)
C: अकर्मक (intransitive action)
Examples: (When णिजन्तधातु
takes two कर्मs, अणिकर्ता is denoted in कर्मणि प्रयोग.)
A:
माता (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ग्रामं
गमयति/यापयति । देवदत्तः
ग्रामं मात्रा गम्यते/याप्यते ।
माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) भारं नाययति/वाहयति । भारः देवदत्तेन मात्रा नाय्यते/वाह्यते ।
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) धर्मं
बोधयति/वेदयति । माणवकः
धर्मं गुरुणा बोध्यते/वेद्यते ।
माता (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ओदनं भोजयति/आशयति । देवदत्तः ओदनं मात्रा भोज्यते/आश्यते ।
माता (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) ओदनं आदयते/खादयति । ओदनः देवदत्तेन मात्रा आद्यते/खाद्यते ।
B:
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) वेदं पाठयति/अध्यापयति । माणवकः वेदं गुरुणा पाठ्यते/अध्याप्यते ।
C:
गुरुः (णिकर्ता) माणवकं (अणिकर्ता) आसयति/शाययति । माणवकः गुरुणा आस्यते/शाय्यते ।
Counter
example 1 – Other than those 3 types:
सोमदत्तः (णिकर्ता) देवदत्तेन (अणिकर्ता) ओदनं पाचयति
। ओदनः देवदत्तेन सोमदत्तेन पाच्यते ।
Counter
example 2 – णिकर्ता takes another णिकर्ता:
सोमदत्तः (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ग्रामं
गमयति ।
विष्णुमित्रः (णिकर्ता) सोमदत्तेन (णिकर्ता) देवदत्तं (अणिकर्ता) ग्रामं
गमयति ।
देवदत्तः ग्रामं सोमदत्तेन विष्णुमित्रेण गम्यते ।