皆さんにとっても有益かと思うので、ある方から頂いた質問の回答をシェアしますね。
辞書の中で、आनंद [ānaṃda] のようにアヌッスヴァーラを使った表記が見られるけど、それは正しいのか?という質問でした。
スートラ 8.3.24 नश्चापदान्तस्य झलि। ~ अनुस्वारः मः によって、
単語の中の न् とम् は、後ろに झल्-प्रत्याहार が続くとअनुस्वार になりますが、
その後、8.4.58 अनुस्वारस्य ययि परसवर्णः। によって、
後ろの音と同じ位置の鼻音に変化する規則があり、
それは単語の中の場合、必須です。
ゆえに、आनंदः というのは文法的には間違いです。
辞書の著者なら、このような規則は知っている筈だと思うのですが、
実際は、小さな活字の辞書では、子音が連続すると見にくいせいか、
このようなअनुस्वार を使った表記をよく見かける気かします。
パーニニ・スートラの入門書の लघुसिद्धान्तकौमुदी の टिप्पणी の著者は、
8.4.58 अनुस्वारस्य ययि परसवर्णः। のスートラについて、
"स च नित्यस्तस्माद् गङ्गादिशब्देऽनुस्वारसहितः प्रयोगः प्रामादिकः।"
{それは必須の規則であることから、アヌッスヴァーラを使った用法は、
無頓着です。}
と手厳しく辛辣な?コメントを書いています。