自分の視点が、もはや現代人のそれではなくなっていて、
遺跡を作った古代人に共感するような視点にシフトしていました。
ガイドさんがそこかしこで「これは何だと思いますか?なぜだと思いますか?」と
質問を投げかけてくれますが、古代エジプトでもアッシリアでも、
インド目線で考えると当たり前なことばかりで、
何を見ても聴いても、そうそう、インドでも似た感じやし、分かるわ、
と感じるようになっていました。
でも、「インドでもこうなんですよ~。やっぱり全ての起源はインドですね~。」とか
何を見ても言い出すのはあまりにもインド人的過ぎるので慎むようにはしていましたが。
日本語のハイライトツアーを案内してくださったガイドの方は、
ニューヨーク在住らしい知的でサバサバした感じでありながら、
とってもフレンドリーでお話が上手だったので、1時間があっという間に過ぎてしまい、
とても充実した時間となりました。
メトロポリタン美術館の古代エジプトのコレクションは約4万点ありますが、
全てエジプト政府の許可を得て、合法的に買い取り展示しているそうです。
(ガイドさんは言わなかったけど、ヨーロッパ中にあるオベリスクや博物館のミイラは、
そういう訳ではないんだろうな。。。)
アスワンハイダムに沈むことになっていた神殿。
エジプト政府からの要求を満たす為に、
神殿の周りにはナイル川のほとりを彷彿させる水が湛えられ、
水中には本物のパピルスがアレンジされ、
ワニ(ガンガーの乗り物もワニですね)の模型も置かれ、
神殿は東向きに設置され(インドの寺院は基本みんな東向きです。
ダクシナームールティはもちろん南向きです。)
自然光に照らされるようにガラス張りの展示室が造られました。
当時支配していたローマ王がファラオの恰好をして西を向き、
東を向いている古代エジプトの神々に捧げものをしています。
外壁の像は彫り込まれているので、浸食されにくく、
太陽光と濃い影のコントラストで図柄が分かりやすくなっています。
一方、内壁の像は浮き彫りにされていて、薄暗い中でも姿が見えやすくなっています。
屋上からの眺め。20年以上前にもここに来ました。新しいビルが建設中ですね。 |
若かりし頃は世界中を旅していて、ヨーロッパの美術館や古い教会、
特にフランス、イタリア、ベルギーあたりは、かなり隈なく周ったし、
エジプトでは各地を周って実際にピラミッドの中に入ったりしていたので、
今さらメトロポリタン美術館だろうが、新世界の地にあるものを眺めても、、
というのが正直な感想ですが、それゆえに、力まずに気の向くままに館内を周りながらエンジョイ出来ました。
若い時に旅に出て、いろんなものを見るだけでなく、いろんな国のいろんな人間と関われたのはラッキーだったと思います。。
ローマ時代のモザイクがクリシュナとアルジュナにしか見えない。 |
聖クリストファーも、クリシュナを担いでヤムナーを渡るお父さんにしか見えない。 |
ヤショーダとBabyクリシュナにしか見えない。 |
吹奏楽器の王様は、やっぱりインドのコンチだ!! |
ヒンドゥー教のセクションは、タミルのChola時代のものや、
アフガニスタン、パキスタン、カシミールなど、ヴェーダ文化圏からのものが多かったです。
これらの地域はヴェーダ文化圏なのですが、現在はイスラム圏になり、ことごとく破壊されていますね。。
先日、カシミール地方のことを、もともとはイスラム圏だったと言う仏教のお坊さんがいらしてびっくりしました。イスラム教が始まったのはたかだか1400年前のことで、ヴェーダ文化は何千年も前からあるのに。。。
博物館なんぞで対面すると、こういうものは、毎日きちんとWorshipされていなければならい、ということが良く良くわかります。
やっぱりちょっとガンダーラな感じ。 |