ヴェーダーンタとの出会い方は人それぞれなので、
義務教育のように画一的にはなりませんが、
しかし大体以下のように進めるのが理想的です。
1.お祈りから入る
ヴェーダーンタの勉強は、祈りに始まり、祈りと共にあります。
まず、赤い本のお祈りを意味と共に勉強すると良いでしょう。必ず先生について勉強しましょう。
ヴェーダーンタの勉強には、とてつもない量のプンニャ(善い行いの結果)が必要です。
過去の無数の人生で得た計り知れない量のプンニャが、今回ヴェーダーンタへの勉強の興味として実ったのです。
ヴェーダーンタの勉強をする機会を得るには、さらなるプンニャを得る必要があります。
プンニャを得るには、まず毎日の生活の中で、社会や家庭での自分の役割を果たし、さらに貢献者としての行動を選び取ることが土台にあります。
そして、毎日のお祈りを習慣にすることが大事です。お祈りは、プンニャを得るための有効な手段だけではなく、ヴェーダーンタの勉強に必要な心の準備をしてくれます。
朝夕の決まった時間に、皆の幸せを願うお祈りを続けているうちに、365日24時間の自分の行動の全てがお祈りになります。
祈りとは、イーシュヴァラに自分の行動を捧げ、全てはイーシュヴァラから与えられていると認識することですから、自分の人生の24時間全てを祈りとして生きている人にとって、ヴェーダーンタは難しいことでは無くなってきます。
2.ヴェーダーンタのテキストの勉強
ヴェーダーンタの全体像を把握するのには、タットヴァボーダという小さなテキストを勉強するのが良いので、ヴェーダーンタの勉強の始めの頃に一度学んでおくと良いでしょう。
しかし、タットヴァボーダだけではカルマ・ヨーガについては詳しく学べませんから、バガヴァッド・ギーターのカルマ・ヨーガのトピックを始めのうちにしっかり学んでおくことが必要です。
尚、ヴェーダーンタの勉強は、先生についてきちんと学ぶことが必須であり、どのテキストを勉強するかは先生に決めてもらえば良いことなので、生徒が自分でテキストを選ぶ必要はありません。
勉強の始めの頃こそ、オンラインではなく対面のクラスで勉強することが大事です。クラスが開催されていたら少々遠くても頑張って参加する都合をつけるなど、努力することをお勧めします。
とは言え、勉強したいときにクラスがあればラッキーですが、そうでもない場合は、自らクラス開催にこぎつけられるように能動的に動く努力をし、そして祈り続けるしかありません。
ヴェーダーンタのテキストはサンスクリット語なので、サンスクリット語も学び始めると良いでしょう。
3.勉強を続ける生活スタイルを確立する
ヴェーダーンタを勉強したからといって、仕事を辞めたり家族を捨てる必要はありません。ヴェーダーンタを勉強したからこそ、自分に与えられた仕事や家族への役割をしっかり果たすことの意味が鮮明に見えるはずです。
年に何度か、或いは月一、週一、毎日など、勉強のペースは仕事や家庭の事情から人それぞれですから、誰と比べる必要もありません。勉強は続けることが大事なので、まず、社会や家庭の中で自分がきちんと貢献者として機能しているかを中心に考え、それで勉強を続けられる自分のペースを見つけましょう。
尚、ヴェーダーンタのテキストは、一度勉強したら終わりではなく、何度も繰り返し勉強するものです。何年か経ってまた同じテキストを勉強すると、また新しい発見があるはずです。気長に勉強を続けましょう。
また、クラスの主催者のお手伝いをしたり、自分がクラスを主催するといった形で、勉強する機会に積極的に参加してみてください。「都合が合えば行く」といった姿勢では、ヴェーダーンタはなかなか学べません。自分から能動的に勉強する機会を創っていくことにより、ヴェーダーンタを学ぶ正しい姿勢が身に尽きます。